パワコン市場は20年度に半減、FIT依存脱却が急務に
* : * : admin * : 2017-08-15 * : 84
矢野経済研究所は国内の再生可能エネルギー向けパワコン市場の調査結果を発表。太陽光発電向け需要の落ち込みが響き、市場は減少基調に転じたとしている。
国内の再生可能エネルギー用パワーコンディショナー(PCS)市場が縮小へと転じている。これまで拡大をけん引してきた産業向け太陽光発電システム需要の減少が最も大きな要因で、将来的にも落ち込みに歯止めがかからず、2020年度には半減するとの見込みだ。
矢野経済研究所はこのほど、国内の太陽光発電や風力発電、燃料電池、蓄電池向けなど再生可能エネルギー用PCS(住宅用および産業用)の市場調査を実施した。その結果によると2016年度のPCS市場規模(メーカー出荷金額ベース)は前年度比28.3%減の1284億6500万円と前年度実績を大きく下回る結果となった。市場規模は縮小へと転じているが、2017年度の市場規模は同0.8%減の1273億9000万円と微減にとどまると予想している。

再生可能エネルギー向けパワーコンディショナー市場の推移と予測(クリックで拡大) 出典:矢野経済研究所
今後の見通しについては、産業向け太陽光発電システムの需要が先細り、2018年度以降も減少傾向になる見込みだとする。住宅用途のPCSは2019年度頃からFITの10年間にわたる固定価格買い取り期間の終了による代替需要が期待できるものの、住宅用途のみでは市場全体の縮小をカバーするには至らないと予測。その結果、2020年度の市場規模は2016年度の約半分となる630億円に減少すると予測している。