太陽光、認定後の「過積載」対処へ/FIT価格算定根拠とずれ

太陽光、認定後の「過積載」対処へ/FIT価格算定根拠とずれ

* : * : admin * : 2017-04-12 * : 263
  経済産業省・資源エネルギー庁は、FIT(再生可能エネルギー固定価格買取制度)の下で太陽光発電設備が国に認定された後に、事業者がパネル枚数を積み増して売電収入を増やす行動(過積載)について、国民の賦課金負担が増加する観点から対応を検討する。まず業界ヒアリングを進め、増加の程度を把握する。認定取得後の過積載を、国による「変更認定」が必要な行為と位置付け、その時点の低い買い取り価格に変えるか否かが大枠の論点になりそうだ。
   再生可能エネルギー特別措置法(FIT法)の認定では「太陽光パネルの出力」と「パワーコンディショナーの出力」のうち、低い方を発電出力として登録する。パネルの枚数を増やし、パネルより出力が低いパワコンを使えば、発電出力はパワコンの出力となる。これを「過積載」と呼び、パネルをいくら増やしてもFIT法上は発電出力の増加に当たらない。
   エネ庁が国民負担増の観点から検討課題に提起したのは、認定取得後に行う「事後的な過積載」だ。FIT法上、発電出力を増やす場合は、国が変更認定をしてその時点の買い取り価格に変える。だが、過積載をしても発電出力の増加に当たらないため、買い取り価格は変わらない。
   買い取り価格は想定設備利用率などのデータを基に決める。認定取得後の過積載案件は設備利用率や発電量が上昇し、認定取得の段階で決めた買い取り価格の算定根拠とズレが生じる。エネ庁はこのズレを強調。例えば1キロワット時当たり40円(2012年度認定)や36円(13年度認定)といった高い価格を維持しながら売電収入を増やすケースへの対応策を検討すると、1月25日の有識者審議会で表明した。有識者からは早急な対応を求める意見が相次いだ。
   業界関係者によると、近年のパネル価格の低下が過積載を行う動機になっている。高い買い取り価格で認定を取った事業者は、安くなったパネルで過積載をすれば利幅が上がる。また、出力10キロワット以上の事業用太陽光の買い取り価格が14年度32円、15年度27~29円、16年度24円、17年度21円と年々下がる中で、利益を確保する手段とも位置付けられているようだ。
   エネ庁の公表資料からは、事業用太陽光の過積載件数は最低6万件以上あると推定される。パワコン出力に比したパネル出力を指す「過積載率」は特にメガソーラーで高く、2千キロワット以上の特別高圧の平均は2割増だ。ただ、低・高圧も“スーパー過積載”と銘打って5割増や2倍にするなどの例がみられる。