太陽光業者の倒産最多 買い取り価格下落影響 2017年

太陽光業者の倒産最多 買い取り価格下落影響 2017年

* : * : chinaeco * : 2018-01-15 * : 41

  2017年の太陽光発電関連事業者の倒産件数が9月末時点で計68件に達し、年間の最多を更新した。東京商工リサーチが集計した。国の再生可能エネルギー政策の見直しで、買い取り価格が段階的に引き下げられ、市場拡大にブレーキがかかったことが響いた。再生エネ導入の動きは世界的に活発  になっており、今後の推進策が焦点だ。

  これまで倒産件数が最も多かったのは16年の65件で、更新は3年連続となる。17年は3カ月分を残しており、さらに増える恐れがある。倒産した企業の負債総額は215億円で、同様に最大だった16年の242億円を上回る可能性がある。

  調査対象は、太陽光発電の施工や販売を手掛ける業者のほか、太陽光パネルの製造会社など。倒産した理由は事業者の半数が販売不振を挙げた。発電による採算を取れないと判断した事業者が、設備などの発注を控えたとみられる。

  国は再生エネの導入を進めるために、固定価格買い取り制度を導入した。太陽光発電の事業者向け買い取り価格は、利益が出やすいよう12年度に1キロワット時当たり40円でスタートしたが、17年度は21円と半額近くにした。

  買い取った分は電気料金に上乗せされることから料金の高騰を防ぐため、買い取り価格は今後も引き下げとなる見込み。17年度の上乗せ額は標準家庭で月686円。将来的に制度自体が見直される可能性もある。

  太陽光を中心とする再エネ事業への新規参入は12年以降、急増した。東京電力福島第1原発事故が起きた11年に設立された電力事業者は70社だったが、14年には約3300社に膨らんだ。買い取り価格引き下げで15年から減少に転じたものの、16年も約1800社と依然多い水準が続いている。

  太陽光など再生エネの導入を巡って、国際エネルギー機関は世界全体に比べて日本の伸びは鈍いと予想する。国は30年度の再生エネによる発電割合を全体の22~24%に引き上げる目標を掲げているが、一層の導入促進が課題になりそうだ。

  ■ことば

  固定価格買い取り制度

  太陽光や地熱、風力などの再生可能エネルギーによる発電を後押しする制度。東京電力福島第1原発事故後、原発への依存を減らすため2012年に始まった。再生エネによる電力は、全量を一定期間、同じ価格で買い取るよう大手電力に義務付けている。買い取り費用は電気料金に上乗せされ、企業や家庭が負担している。地熱や風力と比べて参入が容易な太陽光に事業者が集中している。